外貨建て取引を行う場合には、為替交換の成り立ちを理解していなければなりません。
例えばドル建て取引の場合においては、円に転換した時のレートが毎日変動します。
そのため、いくらのレートでいつ円に転換するかで取引の旨みが大きく変動し、大きなリスクを抱え込むことさえあるわけです。
そこで、ここでは為替予約の仕組み・手数料について解説しましょう。
直取引と為替予約
為替の取引は直取引と為替予約取引とに大別されますが、直取引の場合は取引日の2営業日の為替交換レートにて取引が決済されます。
取引発生してから三か月後に約定代金を支払うという契約を締結したとすれば、その三カ月後の為替交換レートが大きく円高に振れた場合は、大きな損失を蒙るリスクを抱えているわけです。
そういったリスクを低減しようとするのが為替予約の仕組みとなります。
為替予約の仕組みと手数料
それでは為替予約の仕組みを利用した場合に、金融機関に支払う手数料はどうなっているのでしょうか。
結論からいえば、
- 銀行で為替予約を行う場合の手数料は不要
ということになっています。
しかし厳密にいえば、為替交換レートの中に手数料が含まれているので、現実的には手数料は存在していることになります。
為替予約時に使用される予約レートというものは、一般的にいって直物レート間に2通過間の金利差も考慮に入れ決定されていきます。
ですから、金利の高い通貨についてはプレミアムという考え方により交換レートが調整されることになるわけです。
予約取引の具体例
例えば、金利が円1%、米ドルが5%であることを想定してみましょう。
この場合、円を保有し続けた場合は1%で運用することができるわけです。
一方、米ドルを保有する相手方は5%で運用できるわけですから、この金利のギャップ4%を埋め合わせた取引でないと双方に旨みがない取引となってしまいます。
話をわかりやすくするために1ドル=100円の相場で取引されていて、現実にこの4%の金利差があったとしましょう。
この場合、ドルの買い手の投資家は、プレミアムも加味して4円を差し引いた96円にて米ドルを買いたいという思惑となります。
逆に、ドルを売りたい方では、金利差4円をコストとして96円で米ドルを売るという仕組みにて予約取引が成立することになります。
以前、銀行窓口にて為替の仕組みを利用した外貨定期預金を契約したことがありました。
円安に振れた場合は、金利と元金を受け取ることができますが、円高となってしまった場合はドルで受け取ることになり元金割れが生じることになります。
そのまま外貨で持ち続け円安になるタイミングを待ち、その際のレートで円転することになるわけです。
幸いにも円高に振れることはなかったため、損失を蒙ることはなく安定的に運用できたことはなによりだったという経験になったのです。