fxや株においてはさまざまなトレード方法がありますが、その中でも良く聞かれるのが「ナンピン買い」です。
ナンピン買いは、簡単に言えば、
「予測した流れとは反対方向に行ってしまった場合に、さらに買い増しする」
というものです。
今回は、ナンピン買いの効果、語源、計算方法についてお話します。
ナンピン買いの効果
例えば、1ドル110円の時にドル買いを入れたものの、ドル安に進んで1ドル104円まで進んだとします。
この場合には6円の損失が発生していますが、この時点で再びドル買いを入れるといったものが「ナンピン買い」です。
これを行う理由としては損失を和らげるためです。
この時点で同数を購入した場合には損益分岐点が107円となるため、110円まで戻らなくても損失をカバーすることができるといった仕組みです。
また同数ではなく、増やして購入すれば、より損益分岐点を下げられます。
つまり、効果としては損益分岐点を引き下げることですね。
これによって全体での損切りを阻止できます。
なお逆に売りを入れている場合にはナンピン売りとも呼ばれます。
ナンピンの語源
ナンピンは漢字では「難平」「何品」とも書き株式などの相場で使われてきた古くからの方法です。
語源としては、難が損を意味し、平は文字通り平らにするというものです。
つまり、難平は損を出来る限り平らにするといった意味になります。
ただ、明確な語源ははっきりとはしておらず、日本独特の用語で江戸期の米相場が用語の起源とされています。
損益分岐点の計算
ナンピン買いの損失分岐点の計算は、至極単純です。
FXの場合に、1ドル110円で1万通貨を購入し、1ドル104円になったとしましょう。
この際に、さらに1万通貨をナンピン買いをした場合、
- 損益分岐点=110円(x1万通貨)+104円(x1万通貨)/2(万通貨)
となり、107円になります。
買い増しを2万通貨とした場合には、
- 110円(x1万通貨)+104円(x2万通貨)/3(万通貨)
となり、損失分岐点が106円になります。
損失分岐点を上回れば損益がプラスになり、その時点で売却すれば最初に購入した1ドル110円の損失をカバーするできます。
ナンピン買いそのものは損失をいちはやくカバーするのには向いています。
しかし、格言として「下手なナンピン、スカンピン」というものがあります。
あくまでも価格が持ち直すことが前提の取引ですから、相場全体が逆行するようになると、損失をカバーするどころか損失を拡大させるリスクがあるためです。
ただfxの場合には長期的に見れば相場は大きく波打っているので、損失拡大に耐えうるだけの資金力があれば損失を確定させずに済むかもしれません。
リスクをよく考えて実行することが大切です。