一日のうちに売買を完結させるデイトレード。
毎日利益を確定させる手法であるため、利益をそのまま現金として銀行口座に下ろすことが可能です。
その利益は、もちろん生活の資本にすることができますので、デイトレーダーとして生活できる可能性があるということになります。
ですが、実際にデイトレーダーとして生活することは非常に困難だと言えるのです。
その理由を考察してみましょう。
デイトレード人口
まず、デイトレードを行っている人口から考えてみます。
日本国内でのfx口座開設数は、諸説あるものの700万口座に近いとされています。
そのうち10パーセントのトレーダーが継続的に取引していると仮定すると、トレーダーの人口は約70万人だと推定できます。
さらに、投資スタイルとして長期投資やスイングトレードではなくデイトレードを選んでいる人が3分の1だとしましょう。
この場合、日本国内におけるfxデイトレーダーの人口は推定約23万人ということになります。
しかし、その23万人のなかで利益を出し続けている人はさらに限られます。
fxの世界では9割が負けて残りの1割が勝つと言われています。
つまり利益を出せている人は約2万3000人しかいないことになります。
生活できるほどの利益を上げられている人に限定すればさらに少なくなることは明白です。
こういった数字から考えるとデイトレーダーとして生活することは非常に困難であることが分かります。
つきまとう破産リスク
また、デイトレードには常に破産のリスクがつきまといます。
デイトレードで生活するということは、ほかに収入を得る手段を持たないということです。
トレーディングで失敗が続けば、当然、収入がなく、生活が維持できなくなります。
加えて、トレーディング中に急激な価格変動があった場合には、一気に資産が減額してそのまま破産してしまうというリスクがあるのです。
fxにおける破産リスクを計算する際は、バルサラの破産確率表を用いる方法があります。
ただ、この方法では、一回のトレードにおける損失をどの程度許容できるか、というトレーダーの投資戦略によって計算結果が異なることに注意しなければなりません。
デイトレードの場合は、一回のトレードで上げられる利益の絶対額が少ないため、大きな損失を許容してでも、より多くの利益を出せる値動きを捉えたいと考えがちです。
しかし、そういったトレーディングを続けていくと破産する確率が高くなるのです。
デイトレーダーとして生活できるだけの利益を上げ続けることは非常に難しいのが現状です。
自分だけが特別だと考えることなく、デイトレードのほかに収入を得られる手段を持つことで、精神的にも安定したトレードを行えるようになり、利益額も増えていくのです。